一階常微分方程式の解法
一階常微分方程式 (first order ordinary differential equations) を解く基本的な方法を整理します。
微分方程式の形によって、微分方程式の解法が異なります。 つまり「ナントカ形の微分方程式のときは、こんな解き方で解ける!」というパターンがいくつかあります。
ですから一階常微分方程式を解くためには、まずは ナントカ形の方程式とはどういう形の式であるか、ということと、それぞれの形の場合にどんな解法で解くのか、というのを覚える必要があります。
基本は、次の 6 パターンです。
- 変数分離形の微分方程式
このとき、次の式で微分方程式を解く。
- 同次形の微分方程式
このとき、 なる を使うと次の変数分離形となる。
- 一階線形微分方程式
のとき、変数分離形として解ける。
のとき、 を の原始関数とし、積分因子 を用いて は次式で求められる。
- ベルヌーイの微分方程式
とおくことによって、 の一階線形微分方程式として解ける。
- クレローの微分方程式
この場合、次の一般解と特異解を持ちます。
一般解: 特異解:
( は媒介変数 ) - 完全微分形の微分方程式
この微分方程式が完全微分形となる必要十分条件は である。
このとき一般解は次の式で求められる。
これらを覚えることで、かなり多くの微分方程式が解けるようになるはずです。