フーリエ積分
フーリエ積分 [1]
関数 \(f(x)\) のフーリエ級数で、周期 \(p = 2L \to \infty \) としたとき、 \(f(x)\) は、下記の条件で、\(f(x)\) は次の式で表されることが知られています。
\[ \begin{aligned} f(x) &= \int_0^{\infty} [A(s) \cos sx + B(s) \sin sx] ds\\ A(s) &= \frac{1}{\pi} \int_{-\infty}^{\infty} f(t) \cos st dt\\ B(s) &= \frac{1}{\pi} \int_{-\infty}^{\infty} f(t) \sin st dt \end{aligned} \]
これをフーリエ積分 (Fourier Integral) といいます。
フーリエ積分 [2]
フーリエ積分は、上の他に次の形で表される場合もあります。
\[
f(x) = \frac{1}{\pi} \int_0^{\infty} ds \int_{-\infty}^{\infty} f(t) \cos s(x-t) dt
\]
形式的に上で見たフーリエ積分 [1] と、だいぶ異なるようにみえますが、実は中身は一緒です。 \(\cos s(x-t)\) を加法定理で展開することで、同じ式になります。念のため、確認すると次のようになります。
\[
\begin{aligned}
f(x) &= \frac{1}{\pi} \int_0^{\infty} ds \int_{-\infty}^{\infty} f(t) \cos s(x-t) dt\\[1.4em]
&= \frac{1}{\pi} \int_0^{\infty} \int_{-\infty}^{\infty} f(t) [\cos st \cos sx + \sin st \sin sx] dt ds\\[1.4em]
&= \frac{1}{\pi} \int_0^{\infty} \Big[ \int_{-\infty}^{\infty} f(t) \cos st \cos sx dt + \int_{-\infty}^{\infty} f(t) \sin st \sin sx dt \Big] ds\\[1.4em]
&= \frac{1}{\pi} \int_0^{\infty} \Big[ \underbrace{\int_{-\infty}^{\infty} f(t) \cos st dt}_{A(s)} \cdot \cos sx + \underbrace{\int_{-\infty}^{\infty} f(t) \sin st dt}_{B(s)} \cdot \sin sx \Big] ds\\[1.4em]
&= \frac{1}{\pi} \int_0^{\infty} \Big[ A(s) \cos sx + B(s) \sin sx \Big] ds\\[1.4em]
\end{aligned}
\]
確かに同じ式になりました。
フーリエ積分の成り立つ条件と値
フーリエ積分は、\(f(x)\) が次を満たす場合に存在します。
- 区間 \((-\infty, \infty)\) で絶対積分可能である
(つまり \(\int_{-\infty}^{\infty} |f(x)| dx\) が収束する)
- 任意の有限区間で区分的に連続である
- 任意の点で右微分係数と左微分係数が存在する
この時、フーリエ積分の値は次の通りです。
- \(f(x)\) の連続点では \(f(x)\) に等しい
- \(f(x)\) の不連続点では左右の極限値 \(\cfrac{f(x-0)+f(x+0)}{2}\) に等しい