チェバの定理

いきなりですが、ここでは次の問題を考えてみましょう。

問題 次の三角形 ABC 内に点 O をとる。

直線 AO と 辺 BC の交点を点 D、直線 BO と辺 CA の交点を E、 直線 CO と辺 AB の交点を点 F とします。辺 BC の長さを 1111 とします。

長さの比は AF:FB=2:3AF : FB = 2 : 3CE:EA=4:1CE : EA = 4 : 1 とし、 長さ BC=11BC = 11 とします。

このとき、長さ BDBD を求めよ。

この問題はチェバの定理を使うと簡単に解くことができます。

チェバの定理

チェバの定理は上の状況で、次の関係が成り立つことをいいます。

AFFBBDDCCEEA=1 \frac{AF}{FB} \cdot \frac{BD}{DC} \cdot \frac{CE}{EA} = 1

この式の左辺は AFAF をスタートとして、AFAFFBFBBDBD ・・・のように順番に、分子、分母、分子、分母・・・と置いていった形をしています。

この掛け算が 1 になる、というのがチェバの定理です。

チェバの定理を使って問題を解く

チェバの定理をわかっていれば、上の問題は次のように簡単に解けます。逆に知らないと難しくなってしまうので、しっかり覚えておきましょう。

解き方 上の問題では、BD+DC=BCBD + DC = BCBC=11BC = 11 ですから BD=xBD = xDC=yDC = y とおくと x+y=11x + y = 11 です。

また、AF:FB=2:3AF : FB = 2 : 3CE:EA=4:1CE : EA = 4 : 1 をチェバの定理の形に書き直すと、 次のようにかけます。

AFFBBDDCCEEA=123xy41=18x=3y \begin{aligned} \frac{AF}{FB} \cdot \frac{BD}{DC} \cdot \frac{CE}{EA} &= 1 \\ \frac{2}{3} \cdot \frac{x}{y} \cdot \frac{4}{1} &= 1 \\ \therefore 8 x &= 3y \end{aligned}

x+y=11x + y = 118x=3y8x = 3y から xxyy を計算すると x=3x = 3y=8y = 8

よって長さ BD=3BD = 3 となります。

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