面積素とパラメータ
曲面 S 上の位置ベクトルを u,v をパラメータとして、次のように表します。
r(u,v)=x(u,v)i+y(u,v)j+z(u,v)k
さて、このときパラメータ u と v が微小変化したときに、曲面 S 上の対応する点がどのくらい動くか考えます。
そして、この微小変化がなす面積が、uv 平面と曲面 S とで、どのくらい変わるかみてみましょう。
まず、uv 平面を考えます。u が Δu だけ変化し、v が Δv だけ変化したとします。
このとき、この微小量がなす面積 ΔA は ΔuΔv です。

ちなみに面を微小区画に分けたひとつひとつを面積素といいます。面積素 ΔA の面積は ΔuΔv です。
これに対して、曲面 S でどうなるでしょうか。
まず、スタート地点としてパラメータ (u,v) に対して、点 P を対応付けて、その位置ベクトルを r(u,v) とします。

u が Δu だけ微小増加した点 Q の位置ベクトルは、r(u+Δu,v) です。
高次の微小量を無視すると、r(u+Δu,v) は次のようにかけます。
r(u+Δu,v)=r(u,v)+∂u∂rΔu
従って、ベクトル PQ は次となります。
PQ=r(u+Δu,v)−r(u,v)=∂u∂rΔu
同様に v の微小変化を考えると、
r(u,v+Δv)=r(u,v)+∂v∂rΔv
ですから、
PS=r(u,v+Δv)−r(u,v)=∂v∂rΔv
となります。
一般に2つのベクトル a と b が作る平行四辺形の面積は、∣a×b∣ で求められます。
従って、平行四辺形 PQRS の面積 ΔS は ∣PQ×PS∣ です。
上の結果から、面積素 ΔS の大きさ (面積) は次のように書けます。
ΔS=∣PQ×PS∣=∣∣∂u∂rΔu×∂v∂rΔv∣∣=∣∣∂u∂r×∂v∂r∣∣ΔuΔv=∣∣∂u∂r×∂v∂r∣∣ΔA
この式が uv 平面の面積素 ΔA と、パラメータの変化に対応した曲面上の面積素 ΔS の関係式になります。