フレネ・セレの公式
さて、ここまでに説明したことを少し整理しましょう。
「主法線ベクトルと曲率半径」では曲率半径 ρ をとりいれて、接線ベクトルの変化率と主法線ベクトルの関係を示しました。
dsdt=ρ1n
「捩率と従法線ベクトル」では捩率 τ をとりいれて、従法線ベクトルの変化率と主法線ベクトルの関係を示しました。
dsdb=−τn
さて、そうなると 主法線ベクトルの変化率と他のベクトルの関係も知りたいところですね。
空間曲線で扱う主なベクトルと平面 で示したベクトル積の関係から、n=b×t が成り立ちます。
これを s で微分します。
dsdn=dsdb×t+b×dsdt=−τn×t+b×ρn=τb−ρt
最後の式変形では、n×t=−b、b×n=−t などを使いました。
以上、もう一度整理すると、次のようにまとめられます。
dsdtdsdndsdb=ρ1n=τb−ρt=−τn
これをフルネ・セレの公式といいます。
上の式では ρ (=曲率半径) を用いて表しましたが、曲率 κ=ρ1 を用いて表すと、次のように書けます。
dsdtdsdndsdb=κn=τb−κt=−τn