一階線形微分方程式の解き方
ここでは一階線形微分方程式の解き方について説明します。
「一階線形微分方程式ってなんなの?」という人は先に 「一階線形微分方程式とは」をみてください。
さて、一階線形微分方程式というのは次のように書けます。
ここで \(p(x)\) と \(q(x)\) は \(x\) の関数です。今回は特に、\(p(x)\) と \(q(x)\) は連続な関数を考えます。
「連続な関数」という条件を付けるのは、このあと \(p(x)\) と \(q(x)\) を積分して考えたいからです。
連続な関数 \(f(x)\) は積分可能です。積分はグラフと \(x\) 軸の囲む面積を求めることになりますが、 連続であれば面積は求まりますよね。これは微分可能かどうかという条件よりも緩い条件です。 微分では、グラフの傾きを求めることになりますが、グラフが滑らかに連続でないと傾きが求まらないので、 微分可能にはなりません。
さて、\(p(x)\) が連続ならば、次の式を満たす \(P(x)\) が存在します。
そして、次の形をした \(x\) の関数 \(\mu(x)\) を考えます。
この \(\mu\) を \((1)\) の両辺にかけます。
一方、\(\cfrac{d}{dx} \mu y\) を計算すると
\[ \begin{aligned} \frac{d}{dx} \mu y &= \frac{d\mu}{dx} \cdot y + \mu \cdot \frac{dy}{dx}\\ &= \mu p y + \mu \frac{dy}{dx} \tag{3} \end{aligned} \]
です。
ここで \(\cfrac{d \mu}{dx} = \mu p\) であることを使いました。計算して確認すると次のようになります。
\((2)\) と \((3)\) から、次の関係がわかりました。
\[ \frac{d}{dx} \mu y = \mu q \tag{4} \]
両辺を \(x\) で積分すると、次の式を得ます。
\[ \begin{aligned} \mu y &= \int \mu q dx + C\\ \therefore \ \ y &= \frac{1}{\mu} \Big[ \int \mu q dx + C \Big] \end{aligned} \]
これで、一階線形微分方程式の解 \(y\) が求まりました。
\(P(x)\) を \(p(x)\) の原始関数とする (つまり \(P(x) = \int p(x) dx\))。 このとき \(\mu(x) = e^{P(x)}\) を用いて \(y\) は次式で求められる。
積分因子
ちなみに、ここで出てきた \(\mu\) について、もう一度、その役割をみてみましょう。
問題の一階線形微分方程式 \((1)\) の両辺に \(\mu\) をかけると、\((4)\) のような、積分するのに都合の良い形に変形することができました。
このように、微分方程式に掛け算して、それを積分して解ける形にするために使う関数を積分因子 (integrating factor) と呼びます。
\(\mu\) の積分定数
\(\mu\) は \(\mu = e^{P(x)}\) としていました。\(\cfrac{dP(x)}{dx} = p\) を解いたときの、 積分定数を \(C\) とすると \(P(x) = \int p dx + C\) です。
\(\mu\) を決めるときに、積分定数 \(C\) は \(0\) として構いません。
なぜなら、もし \(C \not = 0\) としても \(\mu = e^{P(x) + C} = e^C e^{P(x)}\) ですから、 \((1)\) の両辺に \(\mu\) をかけた時に、両辺で打ち消しあうからです。