単位ベクトル
ここでは単位ベクトルについて、ゆっくり考えておきましょう。
まずは「ベクトルの内積」のおさらいから始めましょう。
ベクトルの長さ
ベクトル \(\overrightarrow{v}\) の長さを \(\| \overrightarrow{v} \|\) と書きます。
ベクトル \(\overrightarrow{v}\) の成分が \(\langle v_1, v_2, v_3\rangle\) のとき、次の関係になります。
ベクトルの内積 (ドット積) と長さの関係は、次のようにかけます。
単位ベクトルとは?
単位ベクトル (Unit Vector) とは「長さが \(1\) のベクトルのこと」です。
ベクトル \(\overrightarrow{v}\) があって、\(\| \overrightarrow{v} \| = 1\) であれば、ベクトル \(\overrightarrow{v}\) は単位ベクトルです。
任意のベクトルの向きの単位ベクトル
ベクトル \(\overrightarrow{v}\) と同じ向きの単位ベクトルは、次のようにかけます。
自分自身の長さで割り算しているので、長さが \(1\) になるということです。例えば、ベクトル \(\overrightarrow{v}\) の長さ \(\| \overrightarrow{v} \| = 3\) であれば、その長さ \(3\) で割れば長さは \(1\) になります。
基本ベクトル
\(xyz\) 直交座標系で、\(x\)軸、\(y\)軸、\(z\)軸、それぞれの方向の単位ベクトルを \(\overrightarrow{i}\)、\(\overrightarrow{j}\)、\(\overrightarrow{k}\) とします。
このとき、\(\overrightarrow{i}\)、\(\overrightarrow{j}\)、\(\overrightarrow{k}\) のことを 基本ベクトル といいます。
英語では Standard Unit Vector です。日本語では「標準単位ベクトル」とは言わず、「基本ベクトル」といいます。
任意のベクトル \(\overrightarrow{v} = \langle v_1, v_2, v_3\rangle\) は、基本ベクトルを使うと次のようなベクトルの和の形で表せます。
\(\overrightarrow{v} = v_1 \overrightarrow{i} + v_2 \overrightarrow{j} + v_3 \overrightarrow{k}\)