ロピタルの定理 例題 (1)
次の極限値を求めよ。
\[
\lim_{x \to 1} \frac{\ln x}{x - 1}
\]
\(\ln x\) は底が \(e\) である対数で、自然対数といいます。\(\ln x = \log_e x\) です。
対数とは「底を何乗したら真数になるか」というものです。「\(e\) を \(0\) 乗すれば \(1\) になる」わけですから、 \(\ln 1 = 0\) です。
分母は \(x-1\) ですから \(x \to 1\) とすると \(x - 1 \to 0\)。
つまり、問題の式は \(x \to 1\) のとき \(\displaystyle\frac{0}{0}\) の不定形です。
ですから、ロピタルの定理が適用できます。
\(\displaystyle\lim_{x \to 1} \ln x = 0\) かつ \(\displaystyle\lim_{x \to 1} (x-1) = 0\) ですから、問題の式にロピタルの定理が適用できる。
\[ \begin{aligned} \lim_{x \to 1} \frac{\ln x}{x-1} &= \lim_{x \to 1} \frac{(\ln x)'}{(x-1)'}\\ &= \lim_{x \to 1} \frac{\cfrac{1}{x}}{1}\\ &= \lim_{x \to 1} \frac{1}{x}\\ &= 1 \end{aligned} \]