ある直線に垂直な直線の傾き
傾き \(m\) \((m \ne 0)\) の直線に垂直な直線の傾きを \(a\) とします。
このとき、\(m\) と \(a\) の間には次の関係があります。
\[
a = - \frac{1}{m}
\]
あるいは「かけてマイナス1」と覚え、次のようにしても構いません。
\[
m \cdot a = -1
\]
なぜ垂直な直線の傾き同士をかけて -1 となるのか?
なぜ、垂直な関係にある直線の傾き同士をかけて \(-1\) になるのでしょうか?
それは二つの直線の方向ベクトルを考えるとわかります。
傾き \(m\) の直線の方向ベクトルは \(\langle 1, m\rangle \) と書けます。 そもそも「傾き」というのは、\(x\) 方向に \(1\) だけ進んだときの \(y\) 方向の変化量のことですから。
同様に傾き \(a\) の直線の方向ベクトルは \(\langle 1, a\rangle\) です。
二つのベクトルが垂直である必要十分条件は内積が \(0\) であることから、次のようになります。
\[
\langle 1, m \rangle \cdot \langle 1, a \rangle = 0 \\
\therefore \ 1 + ma = 0 \\
\therefore \ a = - \frac{1}{m}
\]
ベクトルの内積については「ベクトルの内積」を参考にしてください。
こうして考えれば、「かけてマイナス1」と丸暗記しておく必要もなさそうですね。