フーリエ余弦変換とフーリエ正弦変換 例題(1)

次の関数のフーリエ余弦変換 \(F_c(s)\) とフーリエ正弦変換 \(F_s(s)\) を求めよ。

\[ f(x) = \begin{cases} \ \ 1 \ \ &(0 \lt x \lt a)\\ \ \ 0 \ \ &(a \lt x ) \end{cases} \]

フーリエ余弦変換

フーリエ余弦変換を求めるため、関数 \(f(x)\) を偶周期的に拡張して考えます。

\(f(x)\) が偶関数である時、フーリエ余弦変換は次の式で求められます。

\[ \begin{aligned} F_c(s) &= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \int_0^{\infty} f(x) \cos sx dx \end{aligned} \]

問題の \(f(x)\) を上の式に当てはめると、次のようになります。

\[ \begin{aligned} F_c(s) &= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \int_{0}^{\infty} f(x) \cos sx dx\\[1.4em] &= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \int_{0}^{a} \cos sx dx\\[1.4em] &= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \Big[ \frac{\sin sx}{s} \Big]_0^a\\[1.4em] &= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \ \frac{\sin as}{s} \end{aligned} \]

フーリエ正弦変換

フーリエ正弦変換を求めるため、関数 \(f(x)\) を奇周期的に拡張して考えます。

\(f(x)\) が奇関数である時、フーリエ正弦変換は次の式で求められます。

\[ \begin{aligned} F_s(s) &= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \int_0^{\infty} f(x) \sin sx dx \end{aligned} \]

問題の \(f(x)\) を上の式に当てはめると、次のようになります。

\[ \begin{aligned} F_s(s) &= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \int_{0}^{\infty} f(x) \sin sx dx\\[1.4em] &= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \int_{0}^{a} \sin sx dx\\[1.4em] &= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \Big[ -\frac{\cos sx}{s} \Big]_0^a\\[1.4em] &= \sqrt{\frac{2}{\pi}} \ \frac{1 - \cos as}{s} \end{aligned} \]

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