三角関数の積分公式 問題 (1)
次の関数の不定積分を求めよ。
有理関数 (rational function) の積分の計算です。
有理関数というのは、多項式を分子と分母に持つ関数のことです。分子は定数ですが、定数多項式 (constant polynomial) として多項式といえます。
有理関数の積分の計算でよくやるのは、まず、分子分母の次数を下げ、 それから分母を因数分解し、さらにそれを部分分数展開をして、被積分関数を簡略化する、という方針でしょう。
でも今回は、分子は既に 1 という定数。さらに分母はきれいに因数分解もできないようです。
さて、どうしましょう。
分数を含む積分公式を思い出すと、次がありますね。
これに持ち込めないかやってみましょう。
\((x+3)^2 = x^2 + 6x + 9\) ですから、 問題の \(x^2 + 6x + 13\) という式は
\[ x^2 + 6x + 13 = \underbrace{(x+3)^2}_{x^2+6x+9} + 4 \]
ですね。\(4 = 2^2\) ですから、なんとなく、わざとらしく二乗がでてくるような感じで、計算できそうな気がしてきました。
この公式を使う方針でやってみましょうか。
\(u = x+3\) とおくと、
\[ \begin{aligned} \frac{du}{dx} &= 1\\ \therefore dx &= du \end{aligned} \]
これで、だいぶ公式に近づきましたが、公式をよく見ると分母の2個目の項は \(+4\) ではなく、 \(+1\) です。ここを \(1\) にするために、\(4\) でくくります。
ここでさらに \(v = \cfrac{u}{2}\) とおくと、
\[ \begin{aligned} \frac{dv}{du} &= \cfrac{1}{2}\\ \therefore du &= 2 dv \end{aligned} \]
これで不定積分を求めることができました。