三角関数の積分公式 問題 (2)
次の関数の不定積分を求めよ。
いくつか覚えておかないと、先に進むのが難しいポイントがあります。
先に答えを書くと、もし、必要なポイントさえ覚えていれば、次のように簡単に解ける問題です。
さて、この問題を解くためには何を覚えておかないといけなかったのでしょうか。
まず、\(\sec x = \cfrac{1}{\cos x}\) です。
\(\sec x\) をそのまま扱うのに慣れていない人は、\(\cos x\) に書き直してもいいと思います。
アメリカの高校で勉強している人は、\(\sec x\) はそのまま扱うことが多いので、書き直さずに計算できるように練習しましょう。
\(\sec x = \cfrac{1}{\cos x}\) ということさえわかれば、次の関係に気付けるでしょう。
\[ \frac{d}{dx} \tan x = \sec^2 x \]
念のため計算して確かめておくと、次のようになります。
\[ \begin{aligned} \frac{d}{dx} \tan x &= \frac{d}{dx} \Big(\frac{\sin x}{\cos x}\Big)\\ &= \frac{\cos x \cos x - \sin x (- \sin x)}{\cos^2 x}\\ &= \frac{\cos^2 x + \sin^2 x}{\cos^2 x}\\ &= \frac{1}{\cos^2 x}\\ &= \sec^2 x \end{aligned} \]
\(f\) と \(g\) が \(x\) の関数のとき、次の関係があります。
\[ \frac{d}{dx} \frac{f}{g} = \frac{f' g - f g'}{g^2} \]
また、次の関係も公式として覚えておくと良いです。
これも計算しておきましょう。
ここで、\(u = \cos x\) とおくと \(\cfrac{du}{dx} = - \sin x\) ですから \(\sin x dx = - du\) と書けます。
さて、元の問題にもどりましょう。次の計算です。
\[ \int x \sec^2 x dx \]
部分積分の公式は次の通りです。
ここで \(\cfrac{d}{dx} \tan x = \sec^2 \) を踏まえれば、\(f = x\)、 \(g = \tan x\) と考えることでき、
と、直ちに変形できます。
ここでさらに、上でみたように \(\tan x\) の不定積分が \(\ln | \sec x | + C\) であることから、もう一歩先にすぐに進めることができ、
という風に計算できます。