フーリエ余弦級数 例題(2)
次の関数をフーリエ余弦級数に展開せよ。
\[ f(x) = \begin{cases} \ 1 & \small{( 0 \lt x \lt \cfrac{l}{2} \ )}\\ \ -1 & \small{( \ \cfrac{l}{2} \lt x \lt l)} \end{cases} \]
\(f(x)\) をフーリエ「余弦」級数に展開するために、偶周期的拡張し \(f(x)\) を偶関数として考えます。
つまり、この問題では \(x\) が \(0 \lt x \lt l\) で定義されていますが、この関数を偶周期的に次のように \(-l \lt x \lt 0\) にも拡張して考えます。
これで、\(f(x)\) が偶関数になりました。
そこで、フーリエ余弦級数を計算します。
\(n=0\) のときは、
\[ \begin{aligned} a_0 &= \frac{2}{l} \int_0^l f(x) dx\\ &= 0 \end{aligned} \]
これは、\(x\)軸とグラフの囲む面積を考えれば、計算するまでもなく明らかですね。わざわざ「計算」するなら、
\[ \begin{aligned} a_0 &= \frac{2}{l} \int_0^l f(x) dx\\ &= \frac{2}{l}\Big\{ \int_0^{l/2} dx + \int_{l/2}^{l} (-1) dx \Big\}\\ &= \cdots \end{aligned} \]
とします。
\(n = 1, 2, \cdots\) のとき
\[ \begin{aligned} a_n &= \frac{2}{l} \int_0^l f(x) \cos\frac{n\pi x}{l} dx\\ &= \frac{2}{l} \Big\{ \int_0^{l/2} \cos\frac{n\pi x}{l} dx - \int_{l/2}^{l} \cos\frac{n\pi x}{l} dx \Big\}\\ &= \frac{2}{l} \Big\{ \Big[\frac{l}{n\pi} \sin\frac{n\pi x}{l}\Big]_0^{l/2} - \Big[ \frac{l}{n\pi} \sin\frac{n\pi x}{l} \Big]_{l/2}^{l} \Big\}\\ &= \frac{4}{n\pi} \sin\frac{n\pi}{2} \end{aligned} \]
となります。
この計算では、\(\sin 0 = 0\) とか \(\sin(n\pi) = 0\) であることに注意しましょう。
したがって、フーリエ余弦級数は次のようになります。
\[ \begin{aligned} f(x) &= \frac{a_0}{2} + \sum_{n=1}^{\infty} a_n\cos\frac{n\pi x}{L}\\ &= \sum_{n=1}^{\infty} \frac{4}{n\pi} \sin\frac{n\pi}{2} \cos\frac{n\pi x}{L} \end{aligned} \]
この級数の始めの数項を書き下すと、次のようになります。
\[ f(x) = \frac{4}{\pi}\Big(\cos\frac{\pi x}{l} - \frac{1}{3}\cos\frac{3\pi x}{l} + \frac{1}{5}\cos\frac{5\pi x}{l} -+ \cdots \Big) \]
- フーリエ余弦級数 例題(1)
- フーリエ余弦級数 例題(2)