組み合わせ
異なる \(n\) 個から \(r\) 個取り出す組み合わせの総数 \({}_n C_r\) は次のような形で書けます。
この記事ではこの式を導きます。
「順列」の知識が必要です。不安な人は先にそちらをみておいてください。
まずは具体例から。5 個から 3 個選ぶ組み合わせの数は?
今、 5 個のアルファベット \(A\), \(B\), \(C\), \(D\), \(E\) があって、そこから 3 個選んで取り出すのが何通りか考えましょう。
ひとつのパターンとして、今 \(A\), \(B\), \(C\) を取り出したとします。
\(A\), \(B\), \(C\) を順番に並べる方法は「順列」でみたように、 1 個目として \([A, B, C]\) の 3 パターン、2 個目として残りの 2 つから選ぶ 2 パターン、3 個目は自動的に決まるので、 \(3 \times 2 \times 1 = 3! \) パターンあります。
ここでもし、5 個から 3 個取り出す組み合わせが \({}_5 C_{3}\) 通りあるとします。
すると、順列の数は「コンビネーション数 \({}_5 C_{3}\)」× 「コンビネーション毎の並べ替え数 \(3!\)」ですから、
\[ {}_5 C_{3} \times 3! \]
であることがわかります。
一方、「順列」でみたように、\(n\) 個から \(r\) 個をとる順列は \({}_n P_r\) です。 従って今回の例のように \(5\) 個から \(3\) 個をとる順列は
\[ {}_5 P_3 = \frac{ 5! }{( 5 - 3 )!} \]
です。
上の 2 式はどちらも等しいので、結局
となり、コンビネーションの数は \(10\) 個であることがわかりました。
一般化して書くと
これを一般化すると、次のようになります。
何をしているかわからなくなったら、具体的な数字を当てはめて考えてね。
\(n\) 個の異なるものから \(r\) 個取り出す組み合わせの数を、\({}_n C_r\) 個とする。
取り出した \(r\) 個の順列の数は \(r!\) 個。
従って、\(n\) 個から \(r\) 個の順列の総数は、\({}_n C_r \times r!\) 個。
一方、「順列」から順列 \({}_n P_r\) は次のように書ける。
これが \({}_n C_r \times r!\) 個に等しいので、
5 個のアルファベット A, B, C, D, E から 3 個取り出すときの組み合わせは何通りあるか?
上で具体例として説明した内容と同じですね。
\(5\) 個の異なるものから 3 個取り出す組み合わせは \({}_5 C_3\) 通り。すなわち、
よって 10 通り。
1 から 100 までの数字がひとつずつ書かれた 100 個のボールがあります。この中から 98 個取り出す取り出し方は何通りあるか?
\(100\) 個の異なるものから 98 個取り出す組み合わせは \({}_{100} C_{98}\) 通り。すなわち、
と計算しても答えは出ることはでますが、100 個から 98 個を選ぶコンビネーションの数は、選ばない 2 個のコンビネーションの数と同じなので、 \({}_{100} C_{98} = {}_{100} C_{100 - 98} = {}_{100} C_{2}\) と直してから、
とした方が間違いは少なそうです。
この問題でみたように、\(n\) 個から \(r\) 個選ぶコンビネーションの数は、選ばない \(n-r\) 個を選ぶコンビネーションの個数と同じです。
\[ {}_n C_r = {}_n C_{n-r} \]
選ばれない方が少ない時には、これを使って式を直すと計算が楽になることがあります。