弧長の求め方 (極座標表示) の例題 (1)
\(x\) と \(y\) が \(x = 2 \cos t\)、\(y = 2 \sin t\) で与えられている。\(t\) の範囲は \([0, \pi]\) とする。\((x, y)\) の軌跡の弧長を求めよ。
「弧長の求め方 (パラメータ表示) 例題2」と同じ問題です。
与えられた式は \(x\) と \(y\) が \(x = 2 \cos t\)、\(y = 2 \sin t\) です。
前回は \(x\)、\(y\) が \(t\) という、ひとつのパラメータで表示されていると考えて、パラメータ表示の時の公式を使って弧長を求めました。
ここでは、\(r\) が \(r = 2\) で一定で、\(\theta\) の範囲が \([0, \pi]\) の極座標として考えます。
極座標表示として弧長を求める
この問題を極座標として考えて、今 \(t\) を \(\theta\) と書き直すと、\(x = 2\cos \theta\)、\(y = 2\sin \theta\)。 \(\theta\) の範囲が \([0, \pi]\) という状況です。
極座標での弧長を求める公式は次の式です。
\[
\begin{aligned}
L &= \int_{\alpha}^{\beta} \sqrt{ r^2 + \Big(\frac{dr}{d\theta}\Big)^2 } d\theta
\end{aligned}
\]
ここで \(r=2\) で一定の状況です。つまり \(\theta\) の変化によって、\(r\)が変わらないので \(\displaystyle\frac{dr}{d\theta} = 0\) です。
従って弧長 \(L\) は次のように求まります。
\[
\begin{aligned}
L &= \int_{\alpha}^{\beta} \sqrt{ r^2 + \Big(\frac{dr}{d\theta}\Big)^2 } d\theta\\
&= \int_{0}^{\pi} \sqrt{ 2^2 + 0} d\theta\\
&= 2 \int_{0}^{\pi} d\theta\\
&= 2 \pi
\end{aligned}
\]
当然ながら「弧長を求める (パラメータ表示) 問題2」と同じく、 弧長は \(2\pi\) と求まりました。