一階線形微分方程式 例題 (1)
次の一階線形微分方程式を解け。
\[
\frac{dy}{dx} - y = e^{2x}
\]
「一階線形微分方程式の解き方」でみたように、 一階線形微分方程式は次のように書けます。
\[
\frac{dy}{dx} + p(x)y = q(x)
\]
これの解 \(y\) は、
\[
\begin{aligned}
P(x) &= \int p(x) dx\\
\mu(x) &= e^{P(x)}
\end{aligned}
\]
として、
\[
y = \frac{1}{\mu} \Big[ \int \mu q(x) dx + C \Big]
\]
で求められます。
問題の微分方程式は、上の解き方での \(p(x) = -1\)、\(q(x) = e^{2x}\) の場合になります。
\(\cfrac{dP(x)}{dx} = -1\) を満たす \(P(x)\) として、\(P(x) = -x\) とします。
よって、積分因子は \(\mu = e^{-x}\) です。
したがって、\(y\) は次のように求まります。
\[
\begin{aligned}
y &= \frac{1}{\mu} \Big[ \int \mu q(x) dx + C \Big]\\
&= \frac{1}{e^{-x}} \Big[ \int e^{-x} \cdot e^{2x} dx + C \Big]\\
&= \frac{1}{e^{-x}} \Big[ \int e^{x} dx + C \Big]\\
&= e^x \Big( e^{x} + C \Big)\\
&= e^{2x} + C e^x
\end{aligned}
\]
ここで \(C\) は任意の定数です。
念のため、これが本当に問題の微分方程式を満たしているか確認してみましょう。 問題の微分方程式の左辺に、上で得られた \(y\) を代入します。
\[
\begin{aligned}
\frac{dy}{dx} - y &= ( e^{2x} + C e^x )' - (e^{2x} + C e^x)\\
&= 2 e^{2x} + C e^x - e^{2x} - C e^x\\
&= e^{2x}
\end{aligned}
\]
これは確かに問題の微分方程式の右辺と等しいですね。